(0:56) 今日は「自閉症とマインド・ブラインドネス」を読んだ。
まずひとつ有用だったのが、人間について新たな理解が得られたということ。
「四歳から六歳までの正常時について、信念が情緒に影響をもたらすという理解を見いだしている(たとえば、実際に手に入れる入れないにかかわらず、欲しいものを手に入れようとしていることを考えるときに幸せを感じ、そうでないときには悲しみを感じるということ)。」
これにはちょっと意表を突かれた。
人間は、欲しいものを手に入れようとしていることを考えるだけで幸せになれるらしい。
そんなことは考えてみたこともなかった。
しかし、思い返してみると、そういう(何かが手に入りそうな)状況で「うれしい?」みたいなことを聞かれたことは昔あった気がする。
今ならそういう状況で「うれしい」と(形式的に)答えられるけど、昔は意味がわからなかった。
…しかしながら、主人公の信念に基づいて主人公の情緒を予測するテストでは、五歳の正常児や知的障害児よりもはるかに成績が悪かった。
そりゃそうだ。
そもそも、ぼくは(そして、たぶんほかの自閉症者も)そういう場面ではそもそも幸せにならない。
だから予測ができるわけがない。
もちろん、いまではそういう場合の正解を「知っている」から答えられるけど。
本には、自閉症児には SAM (Shared-Attention Mechanism、注意共有の仕組み)が欠けているということが書いてあった。
これは「よくわかる言語発達」にも書いてあったので、それほどの新鮮さはないけれど。
うちの子供は、この注意共有というのが完全に欠けている。
大人に物を見せるということも、指さしもない。
あぁ…という感じだ。
まあ、ぼくからできる限りのノウハウを伝えてあげられればいいんだけど…。