(0:57) 酒を少し飲んだ。
週末、可変次数 CRF について Twitter で声をかけてもらった。
この件については、いまだに心残りが多い。
これまでにも何回か書いたけど、もう一度(今後もまた書くと思う)書いてみようと思う。
修士時代の後半は、ほとんどこの可変次数 CRF のことばかり考えていた。
あのころほど集中して何かをひたすら考えた経験はそれまでになかったし、今後もないと思う。
結果として、荒削りだった可変次数 CRF の考えもきれいな形にまとまって、自分としてはかなり満足していた。
CRFSuite をベースにプログラムも作って、無事に動かすこともできた。
でも、結果として、誰にもアイデアの中身を伝えることができないままに終わった。
これが、すごく、心残りだ。
ぼくは、能力にものすごく偏りがある。
プログラムの能力はそれなりに優れているほうだけど(平均から見ると)(平均というとまたウザいことを言われるかもしれないが、人生の失敗者である分、普通レベルがどれくらいかという点ではある程度の実感がある)、それはそこまで自分の強みではない。
でも、CRF のような抽象的な仕組みをイメージする能力は、かなりあるほうだと思う。
式の上でだけでなく、どういうふうにスコアが移動するかというイメージ。
そのイメージ力を使って、高次の CRF についてはいい感じのものができたと思っている。
しかし、それを伝えようとすると、人間側の問題がある。
人間は、権威のないものを信用できないようにできている。
これは、人間とぼく側(「アスペ」などとも言う)との性質的な違いなので、どうしようもない。
能力だけから言うと、高次の CRF を理解できる人間は多くいるはずだが、そういう人たちに読んでもらえるだけの権威がないといけない。
(もっとも、ぼくも対象によっては「権威」的な存在になりうるが、そういう相手はこう言っちゃ何だがぼくより頭がよくないので仕方がない)
というわけで、このアイデアを伝えるためには、国際学会とやらに出さないといけないのだろう。
といっても、ぼくにはそのモチベーションが存在しない。
というのは、上に書いたように、ぼくは権威システムと非常に相性が悪いからだ。
人間は、人間を業績で判断するようになっている。
だから、自分自身も業績ポイントを集めるように行動できる。
しかし、ぼくはもっと動物的にできている。
相手と直接話して、何をわかっているか、何をわかっていないか、それだけでしか判断できない。
また、業績システムが直感的に理解できないから、それに自分の何かを預けることができない。
「業績」なんてフワフワしたものは、明日何かの基準が変わったら、なかったことになったりするんじゃないんだろうか?
そんなことはたぶんないんだろうというのは、頭ではわかっている。
でも、本能的なところで身を預けることができない。
まあ、それは置いといて。
やっぱり、純粋にアイデアを伝える手段として、国際学会に出したい気持ちはある。
しかし、上に書いたような問題によるモチベーション不足と、論文を書く能力の不足、それに今は余裕の不足(仕事がしんどすぎる)というのもあって、とても進展させられるような状況じゃない。
今の仕事を辞めて余裕ができたら、誰か一人でもいいから権威のない状態でアイデアそのものに興味を持ってくれる人を見つけて、それから論文にして投稿したい…と思っている。
でも、その一人を見つけるのさえ、非常に難しそうだ。
前職を辞めてからの無職期間にも、結局できなかった。
残念だ。