(0:57) 今日は面接に行った。
特に隠すことでもないから書くと、NICTの技術員。
機械翻訳チームの中で、主にプログラミングに関わることをやる仕事。
感触はとてもよかった。
問題ないんじゃないかという感じ。
まあ、もともとこの公募というのは(略)的な性質があるのであまり心配はしていなかったのだが。
ただ、この仕事に関してぼくはあまりいい予感はない。
前に書いたように、(統計的)機械翻訳との相性の悪さというものがある。
それに、機械翻訳そのものとの相性の悪さのほかに、機械翻訳に関わる人間との相性の悪さもある。
機械翻訳に関わる人間には、3タイプがあるように見える。
一つ目は、大きなデータを扱うことでテンションが上がるタイプ。
機械万能の考え方を持っていて、自然言語の性質などについて考えることがない。
このタイプは実に嫌な人間が多い。
思い出すのは、黒橋研で(同級生のK君と)ゴキブリと呼んでいたやつとか。
ほかに、最近若手で活躍している人も、ツイッターを見ているとその考え方のマッチョっぷりに毎回うへっとなる。
二つ目は、よくわかっていないのに機械翻訳に夢を持つドリーマー。
嫌な人間ではないのだが、そのために非常に救いがたいことになる。
既存のエンジンに自分で集めたデータを入れて、それで何かいいものができるかのように勘違いしている。
よくわかっていない人間がこういうドリーマー(得てして学歴は高かったりする)に期待を持って投資してしまうと、年単位の時間と人件費をかけて既存のものに劣るゴミしかできないということになりやすい。
三つ目は、ちゃんと考えてやっているタイプ。
機械翻訳のそれぞれのレベルで何が起こっているかを把握して、言語的な洞察も加えてシステム全体を最適化できるような人。
こういう人はいいのだが、いかんせん数が少ない。
こうして書いてみると、一つ目と二つ目の違いは能力の有無だけでほとんど同じようなものだ。
どちらも、人間の脆弱性をやられている。
人間には、「大きなものを扱っているとすごいことをしている気分になる」「ブラックボックスに何かを入れていいものが出てくると魔法のように感じる」という脆弱性がある。
統計的機械翻訳は、この両方の脆弱性を同時に突かれることになるので、特に危険だ。
まあ、それでもNICTを受けたのは、やっぱり言語に関わりたいからだ。
技術員という立場が実際どういう感じになるかはわからないが、機械翻訳のメイン部分から離れていれば、幸せになれる可能性がゼロとはいえない(控えめな言い方)。
それに、NICTはすごい人材が集まっているところなので、技術員であっても門前の小僧的な勉強はできるかもしれない。
そのほかに、新しい環境にトライしてみたいというのもある。
これまで小企業(K電社)、大企業(Google)、ライン工(Weblio)の仕事をしてきたけれど、NICTのような「公」寄りのところで働いたことはない。
未知な分だけ、自分に合う可能性もある。
といっても、ぼくの直感は「合わない」と告げているんだけど。
ぼくは「公」との相性が悪い。
くだらないアリバイ作り、明確でない目標、なあなあ、そういうイメージしかない。
それに、研究の世界というのはくだらないヒエラルキーみたいなものもあるイメージだ。
まあ、決めた以上は、1年は続けられるよう頑張ろう。
(2:07) 書いた後見直してみたら、前にもこういうことを書いたような気がしてきた。
同じことを繰り返し書いてしまうというのはあまりよくないな。
(でも確認しない)
(寝る)